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安倍訪米、「抑止力」という保守派の幻想

大和魂が泣く! 「抑止力」という米国へのカルト的依存 「戦後体制からの脱却」(櫻井よしこ) とは 日米安保体制の全面見直し・破棄である 【主権喪失を無視する首相の訪米賛歌】 安部首相の訪米を評価する声がいわゆる保守派を席巻している。その保守派を代表する産経新聞が、「日本を立て直す使命」と題した櫻井よしこ氏の記事を掲載した。本文冒頭から、「安部首相の訪米は大きな成功であった。日米ガイドラインの見直しによって、首相の持論である戦後体制からの脱却に一歩近づいた」と手放しの礼賛である。同女史は保守派のオピニオンリーダーと称され論客であるからして、訪米礼賛は保守派の考えを代表・集約していると思ってそうズレはないだろう。  ※参考 『日本を立て直す使命』(櫻井よしこ)  http://www.sankei.com/column/news/150504/clm1505040008-n1.html この記事を論考する前に、外交とは何かを考えてみたい。外交とは主権を確立した国家間の交渉を指す。日米で言えば、双方の国家主権の確立を前提として、始めて対等な外交関係並びに外交交渉が成立する。 【外交とは主権の確立が前提】 しかし、日米間にこの前提、日本の主権が存在するのか。主権を喪失したなかでの外交は極めて歪な結果しかもたらさない。櫻井女史の掲載記事にはこの主権の捉え方が致命的に欠落している。 主権とは何か、他国の干渉によって侵されることのない国家の統治権をいう。国家権力の 集約が統治権であり、その最高の形態は軍隊である。 この軍隊が国家の管轄下に置かれて正常に機能してこそ主権国家であり、他国の干渉から国家の尊厳、生存権を守り抜くことが出来る。国家の主権たるや、軍事の独立なくしてあり得ない。「国家とは暴力装置」(マックス・ウェーバー)、「鉄砲から政権が生まれる」(毛沢東)はこの軍事主権を言い表している。 では我が日本はどうなのか。 昭和27年4月28日、サンフランシスコ講和条約が発効すると同時に日米安保条約も発効した。同時発効、ここにこそ最大の矛盾とまやかしが存在する。 本来、対外的条約(日米安保)は戦勝国との講和条約が発効され、わが国の主権が確立・安定した後に、つまり米国を含む全ての占領軍が日本全土から撤退した後に結ばれるべきはずであった。日米安保は軍事条約である。この条約が締結されたのは講和条約が発効される前、昭和26年9月8日である。日本が軍事占領下におかれ、わが国は占領軍によって何から何まで支配されていた。国家主権が存在しない中で締結されたのが日米安保条約である。主権が存在しない状況下で締結された条約は無効でしかあり得ない。同時発効はレトリックなのである。無論、憲法においては言うまでもないことである。 【「戦後体制からの脱却」とは日米安保体制の全面見直し・破棄である】 サンフランシスコ講和条約で日本は敗戦処理を決着させ、”主権を回復”した。しかし同時に「日米安保条約」を結んだ。それによって、米軍基地を恒久化して事実上の占領政策が継続されているのが現状、我が国は外交・軍事における主権を回復できないまま今日に至っている。つまり、我が日本は主権を確立した独立国家でなく、米国の州に準ずる”国家”と言える。 しかも、「日米安保条約」とそれを補完する「日米地位協定」によって、わが国には米軍が占領軍として常駐し、沖縄ばかりか全土に基地を張り巡らしている。航空法を始め、日本の法律の規制を受けることなく、米軍機は縦横無尽にわが国領空を飛びまわっている。取り分け、首都圏の広大な空域が米軍横田基地に管制支配されている。対空レーダーシステムも全て米軍の指揮下においてしか機能しないのが自衛隊の現状だ。主権国家として、世界を見回してもあり得ないのが我が日本、そして日米関係である。 軍事主権が存在しないなかで、何をどう考えても日本が主権国家とは言えまい。主権を喪失し、軍事支配されている日本が、米国と対等な外交関係など結べる訳がないのは自明の理ではないか。 櫻井女史が、「戦後体制からの脱却に一歩近づいた」と断言する根拠が途轍もなく不可解である。「戦後体制からの脱却」とは戦後70年に亘る米国の軍事支配からの脱却であろう。安部首相が言う「戦後レジームからの脱却」とは、日本民族の頭上に君臨しまくっている「日米安保条約」と「日米地位協定」の破棄並びに全面見直しでしかない。  ※参考 【本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」】  前泊博盛 (編著)/創元社 【「抑止力」という名の幻想】 国内での議論(国会への法案未提出)も経ないまま、安部首相が米国議会で日米ガイドラインの全面見直しを公言することこそ、主権喪失、対米従属の深化・屈服を示す何よりの証明ではないか。 「日米安保条約」や在日米軍基地を、櫻井女史を含め保守派はシナに対する軍事的拡張への「抑止力」を挙げるが、これも事実に即しない主観的見方、願望でしかない。 シナによる尖閣諸島の領海侵犯は恒例化までして誰も驚かない。伊豆諸島・小笠原諸島での国旗を掲げたサンゴ資源の略奪に手足も出せない。南シナ海での岩礁埋め立ては猛スピードでのやりたい放題で、もう誰も止められない。米軍はこの事態に至るまで何かしてくれたのか。「日米安保」や「地位協定」は、一体これらの何処の何に、「抑止力」が働いているのか。自らは戦いもせず、敵の侵略を米軍に肩代わりして貰う、腑抜け・怠惰の発想が蔓延している。保守派が言う「抑止力」とは、「信ずる者は救われる」とする米国に対するカルト的依存心と言ってもいい。 【「日米安保条約」を当てにする腑抜け、シナと戦うのは大和魂を掲げた日本人だ!】 我が祖国を守るのは日本民族の大和魂であって、米軍基地や「日米安保」、「日米ガイドライン」ではない。わが日本民族はつい70年前は特別攻撃隊を繰り出して米艦船に突入し、彼の敵国と戦った。保守派や愛国を語る陣営が、よもやこの歴史を忘れた訳ではないだろう。特別攻撃隊、戦争に敗れたとはいえ日本民族の誇りであり、精神の遺産である。原子爆弾を二度も投下されたなかで大和魂を掲げ、なお本土決戦を謳った民族ではないか。 大和魂とは国難を前に燃焼・爆発する民族精神である。己の教養を飾るアクセサリーではない。祖国に命を捧げた先人並びに特攻隊の隊員らはこの大和魂で米国と戦った。 この誇り高き日本民族がシナの軍拡に対して、戦勝国である米国の「抑止力」を当て事にするなど笑止千万、大和魂が泣くというものである。祖国のために命を捧げた靖国の英霊が、社(やしろ)の奥深くで悔し涙を流しているに違いない。かくも腑抜けになった我が日本民族に対してだ。 【定例街宣のお知らせ】 ①「河野談話」を継承する安倍・自民党政権    を追及する  日時:平成27年5月21日(木)12:30から  … 続きを読む

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四月行動予定

四月行動予定(主権回復を目指す会) ①中止要請 <「主権回復式典」の中止を!  天皇陛下の政治利用は許されない!>  「日米地位協定」のもと、軍事を含めた日本の国家主権は米国によって蹂躙されたままである。これらを放置して「主権回復式典」などあり得ない。この式典に天皇陛下のご臨席を仰ぐなど言語道断、自民党の天皇陛下の政治利用を許すな。中止要請文の手交あり。 日時:4月12日(金) 11:30 場所:自民党本部前     http://www.jimin.jp/aboutus/access/     http://shukenkaifuku.com/?p=931 ※こちらの地図もご参考に 連絡:西村(090-2756-8794) 主権回復の欺瞞を嘆く沖縄県民の慟哭。 1970年4月28日、与儀公園にて  (写真提供:新藤建一氏) ※参考『日米地位協定入門』(前泊博盛 創元社) ②第4回名画鑑賞・意見交換会 『暗殺』(監督・ 篠田正浩) ー幕末維新、それは凄惨な血で彩られた革命だったー 【開催趣旨】 日本人の心の繊細さ、多様性を知らずして、わが国の文化と伝統を語ることは難しい。それは感性を養う作業であり、主として我々は優れた文学作品や名画を通し、豊かな心のあり方を会得していく。そうした観点から主権回復を目指す会は今年度から月一回の予定で名画鑑賞・意見交換会を開きます。 第4回目 『暗殺』  昭和39年(1964)松竹制作 監督・ 篠田正浩 脚本・山田信夫  出演:丹波哲郎、岩下志麻、木村功、小沢栄太郎  音楽・武満徹 演奏・横山勝也(尺八)、一柳慧(プリペアド・ピアノ) 展開するテロの美学 ー『暗殺』(丹波哲郎) 魁(さきが)けて またさきがけて 死出の旅 迷ひはせまじ すめらぎの道 (清河八郎) 原作は司馬遼太郎の『奇妙なり八郎』。新撰組創設に関わった清河八郎の陰謀と島津藩を巡る寺田屋事件が見せ場だ。勤皇と佐幕、開国と攘夷を巡り、新撰組のテロと暗殺が公然と行われた。それに対する下級武士集団の壮烈な応酬などなど、「殺るか殺られるか」のただならぬ人間関係に視点を定めつつ、篠田監督は幕末維新の主力を担った青年たちをパセティックに描いた。それは又、明治維新を「無血革命」とする思想の怠惰を批判する行為にも繋がる。幕末維新とは凄惨な血で彩られた正真正銘の革命だった。 歴史を動かす革命という巨大な舞台は、常に凄惨な血に彩られる。飽くことなく生け贄が晒され、呻き声は舞台に横溢する。しかし反逆者たちはそれを踏み分けて進む。だからこそ逆に、人は雄大なロマンをそこに見る(野村秋介) ※参考  ◆【信念を貫けば 十字架が待っている】(野村秋介) … 続きを読む

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大和魂は何処へ?57期防衛大卒業式

安倍総理よ、靖国の英霊が泣いているぞ 大和魂は何処へ? 米国“魂”を訓示する57期防衛大卒業式 安倍首相は57期防衛大卒業式で、「国民の生命、財産、わが国の領土、領海、領空を守りぬく決意」を披露し、防衛大学生にこれから担うべき自衛官の使命を訓辞した。これは単に卒業生にだけに述べられた訓辞ではなく、式出席者と共に日本国民に向かっても発せられたのである。それはそれで良い。 しかし、安倍首相の訓辞には耳を疑う内容があった。卒業生らに、模範とする人物として「ハドソン川の奇跡」を成したサレンバーガー米国人機長、さらに米西戦争に従軍したセオドア・ルーズベルト元米国大統領を引き合いに出したのである。与えられた義務を全うする人としての潔さ、使命感は民族と国家の違いを超えた共通した価値観であり、それはそれで良いとする。 だが、ここは歴とした日本の防衛大学校、米国の士官学校ではない。わが自衛隊のトップリーダーを育成する組織ではないのか。安倍首相はどうして、日本人を例にすることが出来なかったのか。 明治維新にはじまって、先の大戦で祖国に殉じた幾多の皇軍兵士をどうして語ることが出来ないのか。靖国神社に祀られている若き特攻隊員らにどうして話を触れることが出来ないのか。 靖国神社の英霊を無視して、戦勝国のアメリカ人を“讃え”、わが防衛大生へ訓辞を垂れるとは!、57期防衛大生の心中たるや如何に。安倍首相はどこの国の首相か。卒業生らに、どこの国の愛国者になれというのか。あなたはわが国自衛隊の最高指揮官ではないか。 ここに安倍首相のメンタリティーと共に、自民党政権の一端を垣間見ることが出来るが、同じく訓辞の中で安倍首相は次のように述べている。 「先般のオバマ大統領との会談により、緊密な日米同盟も完全に復活しました」 なんのことはない、日米安保体制の強化を指している。この体制下で、我が国軍たる自衛隊は米軍の従属化のもとに固定され、国軍としての独自性など抹殺されたままである。 主権回復を目指す会は何度でも重複して語るが、我々の見解は今の日本を独立した主権国家と見なさないし、日米安保条約を放置したままでの主権国家などあり得ないとする。軍事的主権を取り戻して、我が国が完全な主権国家を目指すことこそ当会の基本理念である。 昭和27年4月28日、講和条約が発効すると同時に日米安保条約も発効した。この安保条約の発効で米国占領軍は、今現在に至るまで日本に居座り続けているのである。全島が基地化された沖縄こそ、その象徴である。安倍首相の言う「日本を取り戻す」など戯れ言にしか聞こえない。「日本を米国に差し出す」こそが、安倍首相と自民党に相応しいのではないか。 主権回復の欺瞞を嘆く沖縄県民の慟哭。1970年4月28日、与儀公園にて  (写真提供:新藤建一氏) ※参考『日米地位協定入門』(前泊博盛 創元社) 従って来たる4月28日、政府が行う「主権回復式典」は米国占領軍の実体を隠蔽するまやかしである。この日は、「国恥」記念日または主権回復「祈念日」が相応しい。天皇陛下のご列席を仰ぐなど言語道断でしかない。 【参考】 防衛大学校・57期卒業式 安倍首相訓示(全文) 「私と国民は常に諸君とともに」「崇高な任務に没頭を」  防大卒業式首相訓示(2013.3.17)   http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130317/plc13031717080007-n1.htm ※参考資料 【防衛大生よ立ち上がれ! 防衛大を反日・媚中の校長から守れ!!】   http://shukenkaifuku.com/past/KoudouKatudou/2009/091108b.html ←絶滅を免れた日本人を一人でも増やす為にクリックを!

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