8月15日、戦後72年の追悼の意義を問う

8月15日、戦後72年の追悼の意義を問う

真の参拝とは主権喪失の現状をお詫びすることだ

【「不戦」を誓う安倍政権】

終戦(敗戦)72年目を迎えた8月15日は昨今の天候異変のせいか、例年とは異なり、靖国神社を訪れた参拝客らは、境内に鳴きやまぬ蝉の声に代わって豪雨と雷鳴に見舞われた。例年と異なるのは天候ばかりでなかった。中曽根康弘が昭和60年に参拝した以降、自民党政権下では閣僚が誰一人として参拝しない初めての終戦(敗戦)の日となった。そうしたなか、稲田朋美元防衛大臣が昨年の“敵前逃亡”などどこ吹く風の如く様相で参拝したのが印象的だった。

安倍首相は平成27年に閣議決定した戦後70年談話の「先の大戦への反省とお詫び」を、15日政府主催の全国戦没者追悼式(日本武道館)でも、又ことあるごとに引用しては「不戦の決意」を表している。他の閣僚らがこれに同調したのかどうか知らないが、結果、シナと韓国の不当な内政干渉に、安倍首相を始めとして自民党政権中枢が見事なまでに屈服した構図を作った。とすれば、今次安倍政権は「不戦内閣」と言っても差し支えない。

【先の大戦(大東亜戦争)とは何か】

それでは、安倍首相が深く「反省とお詫び」繰り返す先の大戦(大東亜戦争)とは何だったのか。

世界史では第一次世界大戦の後に大きな問題が残された。それは何かと言えば、民族自決・民族独立の原則であり、基本的にそれはヨーロッパにだけしか適用されなかったことだ。つまりアジア、アフリカなどの広大な植民地には適用されなかった。イギリス、フランスなどの植民地大国がそれを許さなかったからである。

これは歴史の課題、民族問題として昨日今日まで残り続けた。そしてそれが画期的に解決されたのが、第二次世界大戦、より正確に言えば大東亜戦争の衝撃によってである。その衝撃とは、東南アジアで欧米帝国主義国家の軍隊が、日本軍に無残に敗北したという事実である。この大戦の結果として、1940年代後半から60年代にかけ、まずアジアで、インドを初めとする南アジア・東南アジアの多くの国が独立した。

その衝撃の余波は次いで60年代に、アフリカで実に多数の国々が独立を遂げた。この中で最も象徴的なのがインドの独立だった。インドは古くからの大国であり、東南アジアを含めた南アジア文明圏の中心国であった。それがイギリスによって完全な植民地にされたことから、白人帝国主義の犠牲者の典型または象徴とされた。

その独立運動の重要な背景となったのが、大戦中日本軍によって組織されたインド国民軍による、イギリスとの戦争体験だ。またアフリカの独立運動には、アジアの戦争に動員されたアフリカの人々が、インドなどの状況をつぶさに実体験して学んだのだ。

それは何もインドばかりでない。インドのラダ・クリシュナン大統領は「インドが今日独立できたのは日本のお陰であり、それは一人インドだけでなく、ベトナムであれ、カンボジアであれ、インドネシアであれ、旧植民地であったアジア諸国は、日本が払った大きな犠牲によって独立できた」と感謝を述べている。世界に発信された言葉である。

ミャンマーのセイン・ウィン国防相は稲田朋美防衛相との会談(平成28年9月21日)
で、「わが国の独立の歴史において、日本と旧日本軍による軍事支援は大きな意味があった」と感謝、「「アウン・サン将軍が『ビルマ独立義勇軍』(BIA)を設立し、BIAと日本軍が英国の植民地支配を打ち倒した。ミャンマーは日本兵と日本に対し、いつも感謝している」と繰り返した。

先の大戦(大東亜戦争)の世界史的意義はアジアばかりではなく、地球上から植民地を一掃したことだ。この意義はいくら強調しても仕切れない。安倍首相の「戦後70年談話」は、この世界史的意義を真っ向から否定したのである。欧米白人植民地主義の手先・代理人と罵声を浴びせられても返す言葉はないはずである。

【戦争とは何か】

ではその戦争とは、そしてその定義とは。

使い古された定義付けだが、戦争とは政治の延長である。外交交渉で決着のつかない対外関係の問題を力と力の対比、つまり戦争で決着をはかるのである。故に戦争の目的とするところは「殺戮」ではない。

従って力と力の関係が明らかになれば、軍事的に劣勢の国家は可及的速やかに停戦の上で講和条約を締結し、国民の生命・財産・安全を最小限の損失でもって、最大限に守りきるのである。これが国家の使命且つ国民に対する義務である。この観点から、先の大戦を顧みればあの惨憺たる惨禍は一体なぜ生じたのか?

昭和20年、我が国は組織的にも、軍事的組織にも戦争遂行能力は灰燼に帰していた。それにもかかわらず、戦争を終結できなかったのである。制空権壊滅による米軍のやりたい放題の空襲、とりわけ3月10日の東京大空襲から原爆投下まで5ヶ月以上に亘って、沖縄戦、戦艦大和の出撃、数知れぬ特攻作戦・・・、戦争が政治ではなく、死ぬこと自体が国家の戦争目的と化して行った。

国家が国民の命を守るのではなく、竹槍を構えての「一億総玉砕」に国民を駆り立ててゆくのである。戦争終結後の国家の再建が如何になどの思考は皆無、「玉砕」などというごまかしで死を目的化し、美化していくのである。究極の無責任、もはや狂騒状態といっていい。

【戦争を終結できない政治体制】

結局、「ポツダム宣言」を受諾する停戦は複数回の御前会議を経て、さらに天皇の聖断を仰がなければ決定できなかった。天皇以外、誰も戦争を終結させることが出来なかった。

民間人を含めて三百万人の犠牲者、さらに北方四島など海外の領有地や権益など全てを失い尽くした。地球上から植民地を一掃した偉業は、その代償としては余りにも高く、国民に無惨を強いたのであった。

ポツダム宣言の受諾という、実質的には無条件降伏に等しい屈辱的な最悪の敗戦を招いたのだった。武装解除された末、無条件降伏で外地に取り残された我が邦人がどのような危険に曝されるかなどの発想が皆無、満州などその惨憺たる酸鼻を極めた逃避行は誰もが知るところである。学徒出陣の学生が爆雷を抱いて戦車に飛び込む訓練などは、国家による国民への犯罪行為である。

戦争が政治であるとすれば、戦争を遂行し、終結させるのは軍人ではなく政治家である。
かくも戦争を終結させることが出来なかったわが日本、明治憲法下の政治体制(統帥権干犯など)こそ総括・点検するべきである。そして、国民に強いた惨憺たる結果を、アメリカではなくて、我々日本人自身の手で裁かなければならないのである。

【お墓参りと異なる靖国参拝】

しかも裁いたのは戦勝国の米国で、その裁きは「日本は侵略国家」だったとのでっち上げの罪証である。自らの手で自らの歴史を総括・検証しないで戦勝国に委ねる。その延長線上に東京裁判史観に貫かれた「河野談話」「村山談話」「戦後70年談話」という自虐・虐日の産物をもたらした。結果は、絶対平和主義という偽善が蔓延、思考停止した状態を生じさせている。

戦後72年を経た日本の現状を、世界史的偉業をなした靖国神社の英霊は何と思うだろうか。彼らは特攻機に乗って米国艦船へ、爆雷を抱いて米戦車へ身を投じて散華した。よもや靖国神社の英霊は戦後72年、「日米安保条約」「日米地位協定」によって、祖国が米国によって軍事占領されているとは思いもしないだろう。70年談話で侵略の、「河野談話」で強姦魔の汚名が着せられている現実を知ったら、彼ら英霊は屈辱で泣くだろう。

戦後72年の今、もっとも心すべきは民族意識を放擲しきった怠惰を深く英霊にお詫びすること、お詫びとはこの現状を改めることの決意である。8月15日、靖国神社への参拝は世間一般のお盆のようなお墓参りとは異なるのだ。そこに戦後72年の追悼の何かを考えるのである。

【終戦の日・戦後72周年忌】
『日韓基本合意』を破棄し、
強姦魔の汚名から靖国の英霊を守れ

平成29年8月15日 神保町交差点
(↓ 画像クリック拡大)

地球上から植民地体制を一掃したのが「先の大戦」という大東亜戦争だった。
その偉業の犠牲者同胞・三百万人の霊に対し深甚なるを黙祷を捧げる
(平成29年8月15日 神保町交差点)


戦後72年の真の追悼とは、未だ主権国家の体をなさない現状を
靖国神社の英霊に深くお詫びを申し上げることだ(同)


大東亜の解放に尽くした靖国神社の英霊を、アジア侵略と強姦魔の汚名から守れ!(同)


連合国の「A級戦犯」ではなく、日本民族自身の手でもって
先の大戦(敗北)を総括・検証するのが日本民族に課せられた使命と義務である(同)


【動画】 【平成29年8月15日】『日韓基本合意』を破棄し、強姦魔の汚名から靖国の英霊を守れ


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 (酒井信彦 日新報道)

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