主張 「主権回復記念日」を糾弾する
<西田昌司議員は国民に説明せよ!>
平成24年4月14日
主権回復を目指す会 児島謙剛
4月28日、今年もまた「主権回復記念日国民集会」なるものが開催されるという。その場所が永田町の自民党本部であり、その主催者として自民党の議連、たちあがれ日本などが名を連ねている・・・これぞまさしく愛国保守陣営の限界を示して余りある現実だ。そう断言して差し支えない。
主権回復を目指す会では、昨年来、本件が孕(はら)む事態の深刻さを憂慮し、警鐘を打ち鳴らす意を込めて抗議活動を実施してきた。
4月28日の何が問題なのか? いまいち分かりづらい面もあるかと思われる。詳細については拙稿を含めた記事や動画をご覧頂きたいが、端的に整理すると以下の通りである。
・ 昭和27年(1952年)の4月28日、サンフランシスコ講和条約と同時に日米安保条約が発効
・ それによって、米国による事実上の占領政策が継続
・ 我が国は、外交・軍事における真の主権を回復できないまま今日に至る
たった3つの箇条書きを見ただけでも、賢明な読者は「4月28日を祝日化しよう」などという目論見の欺瞞がお分かりになるであろう。4月28日に、我が国の実質的な主権は回復しなかった。いわば“屈辱の節目”だ。そのような日を、なぜ「主権回復記念日」などと詐称して祝日にしなければならないのか? なぜ「お祝い」しなければならないのか? どう考えても辻褄が合わない。
国家主権の喪失という現実を受け入れた上で、それについて国民一人一人が真剣に考える契機(きっかけ)を設けたいということであれば、その動機自体に我々は反対しない。しかし、それならば、日本版「国恥記念日」とでも称するのが日本人としての気概、日本民族としての矜持である。周知の通り、袁世凱政権下のシナ(中華民国)が21か条要求を受諾した5月9日を「記念」した呼び名に因(ちな)んだものであり、これこそが呼称として相応しい。
西田昌司氏・・・言うまでも無く、愛国保守を標榜する筆頭格として保守派に大人気の国会議員である。お得意のビデオレターの中で、この御仁は「主権回復記念日」について饒舌に持論を展開している。
表題を一見しただけで「おや?」と思われた読者も少なくないのではないか。4月28日を「日本の主権が回復した」ものとして記念日化、祝日化するという趣旨に賛同しているはずの西田議員が「日本の主権は回復していない」と真顔で語っているのだ。
氏の主張の骨子は以下の通りである。
「自分で自分の国を守る、この主権国家として当たり前のことが出来ていない」
「米国による占領の延長線上でしか日本の主権、安全が守られていない」
「本当に日本の主権が回復されているのだろうか?(=回復していないのではないか?)」
お気づきであろう。上記の3つは主権回復を目指す会の主張と重なっている。では、問題意識が一致していながら、なぜ具体的な行動が我々の対極に位置しているのか? その原因は偏に、西田議員の“言行不一致”にある。
極言すれば、氏は「実際には主権が回復していないけれども、みんなで国家主権を意識するための“方便”として、嘘でも何でもいいから、とりあえず4月28日を記念日にして、祝日化してしまおう」と述べているのに等しい。西田議員には、政治家としての己の信念に照らし、自身の言動の矛盾について国民に説明する責務があるはずだ。これは、同じく「主権回復記念日」に賛同している稲田朋美議員に関しても言えることである。
その責務を果たそうとしないのであれば、保守派に迎合するためのダブルスタンダード、御都合主義でしかない。選挙での保守票を当て込んだ人気取りのパフォーマンスに過ぎず、これ以上の欺瞞、ごまかし、まやかしは無いと詰(なじ)られても返す言葉があるまい。
昨今、我々が西田議員や稲田議員を批判する度に、「保守カルト」と化した自民党応援団の保守派がヒステリックに食ってかかる図式が定着しつつある。だが、なにも我々は、彼らの人格や人間性をとやかく言っているのではない。威勢の良い愛国の掛け声とは裏腹に、具体的な行動で明らかな矛盾があるから、その疑義を質しているのである。
それに対しては理性的な反論をすべきであるが、感情的な“反発”の域を一歩も出ておらず、嘆かわしい限りである。我々はここに、そのような保守派を、日本の腐敗・堕落を先導(煽動)する『堕日保守』として規定する。愛国の看板を掲げながら、我が国の前途を誤らせる『堕日保守』の罪深さたるや、反日左翼のそれを上回ると言っても過言ではない。
来たる4月28日(土)、我々は自民党本部前で「主権回復記念日国民集会」糾弾の抗議街宣を決行する。日章旗を掲げて愛国を訴える陣営同士が正面切って対峙する、まさに本物の“カウンター”だ。我々にとって、これは真の愛国を自負する者としての矜持を賭けた『堕日保守』との戦いである。
読者の各位におかれては、この「主権回復記念日」の問題を通じて、我々と保守派の主張の一体どちらに道理があるのか、ご判断頂きたい。愛国の真偽を見極めて頂きたい。そして、「戦場」となる自民党本部前において、ぜひとも主権回復を目指す会の陣地にご参集願いたい。
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