「首都・エルサレム宣言」は 米国の新たな戦争計画だ |
米国のトランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と宣言した横暴に対して、主権回復を目指す会は一水会、対米自立実行委員会と共に12月12日、米国大使館へ宣言撤回を求めて抗議行動を行った。なお、この模様は12月13日のTBS「あさチャン」でも放送された。
これに対し、米国大使館は抗議文の受け取りを拒絶するばかりか、わが国警察に指示して、大使館へ向かう我々の身柄を強引に“拘束”しては移動を許さなかった。日本人として、耐え難い屈辱を被る状況であったが、イスラエル建国そのものが中東地域の侵略である歴史を説くと共に、米国が新たな紛争をこの地に生じせしめて、米国経済の屋台骨とする軍需産業の活性に応えようとする醜悪な背後関係を糾弾した。
- (※なお、この抗議文は受け取りを拒絶されたが、
翌13日にファックスでハガティ米国大使宛てに送信して受信されている)
ロシアはトランプ大統領がエルサレムの首都宣言を発表する前日の7日、シリアで猖獗(しょうけつ)を極めていたイスラム過激派組織「イスラム国」の掃討作戦が完了したと発表した。ロシアの支援を受けていたアサド政権は領内の拠点都市全てを制圧したのである。これに合わせて、イラクのバーディ首相も9日、隣国シリアの国境をまたいで破壊と殺戮に狂奔していた「イスラム国」を一掃したとして全土の解放を宣言した。
状況は一転して混乱状態を脱した中東地域は、これでもって新たな国家の再建に向けて立ち上がる条件が整ったのである。トランプ大統領は正にこのタイミングを計ったかのように、エルサレムをイスラエルの首都と宣言したのである。シリアとイラクで粉砕された「イスラム国」の残存構成員らは、いわばウイルスの如く飛散している。このかれらを、再度、米国は「反米」の下に集結・培養して紛争を煽るのである。
アラブ諸国の猛反発は言わずとして、常日頃から米国の外交政策に歩調を揃えてきた英仏独まで「宣言」の撤回を求め、トランプ大統領の危険な方針を批判している。
日本はどうか。在テルアビブ大使館をエルサレムに移転しない方針だが、欧州首脳が一斉に声を揃えて「エルサレム首都」を非難するなか、曖昧な姿勢しか示せないでいる。世界を見回してこの問題で、米国に同調する国はイスラエルを除いて皆無である。今こそ、安倍首相は世界の首脳らと歩調を揃えて米国の戦争政策を批判すべきではないか。米国の中東地域における政策と一線を画し、日本独自の外交を世界に訴える最大にして絶好の機会なのである。主権回復と対米自立の道が眼前に示されているのである。
エルサレムをイスラエルの「首都」と認定 |
去る十二月六日、貴国トランプ大統領はエルサレムをイスラエルの「首都」と認めるとともに、米国大使館をエルサレムに移転することを表明し、米国大統領令にサインした。 しかし、この行為に対して、貴国に親近感を持つエジプト、サウジアラビアなどのアラブ諸国でさえ、「アラブ・イスラムの人々の感情に火を付けるもの」と一斉に反発し、正式に非難の声を上げている。すでに各報道に見られるように、世界各地では激しい抗議の行動が起こり、現地エルサレムでは、パレスチナ人の正当な抗議をイスラエル当局は暴力的に抑圧し、抗議者への弾圧から死傷者を出している。 常に複雑な要素を含んでいるアラブ和平問題に関して、これまで貴国はテロ防止の立場から中立性を保った姿勢で関与してきた。しかし今回、一方的にイスラエル側の立場を支持するかの行為は、もはや本性を現し、仲介者としての役割を自ら放棄したものと言わざるを得ない。 トランプ大統領は、先の大統領選挙において、「エルサレムをイスラエルの首都と認め、米大使館をエルサレムへ移転する」という選挙公約をあげて内外にアピールしてきた。よって、「それを実行したまでだ」ということなのであろうが、自己の満足感を得ようとするための行為は、あまりにも思慮を欠いた軽率な主張と行動でしかなく、一国のリーダーが行う行為としては、愚策以外の何物でもない。 まさに、この愚かな主張と行動は「エルサレムを首都にする」というイスラエルの長年の夢を実現することであるのかもしれないが、これまでのイスラエル、パレスチナ双方の合意によって解決するという原則を逸脱するものであって、平和均衡を崩壊させるものでしかない。これは、来年の大統領中間選挙による、米国内にいるユダヤ系住民の票を当て込むことであるとともに、武器輸出ビジネスから自己利益を得ようとしていることに他ならず、秩序崩壊を狙った姑息なマッチポンプ利益の産物でしかない。平和かつ安定を求める世界の良識と大きくかけ離れたこの感覚と愚策を、我々は到底認めるものではない。強く再考を求めるものである。 従って、我々は、アラブ和平問題に大きな影響を与え、国際情勢の不安定化に繋がる「エルサレムをイスラエルの首都」としての米国大使館移転の暴挙に対し、大統領令の即時撤回を求めるとともに、今こそパレスチナを国家承認していくべきことを訴える。その先頭にこそ、米国が立つことを強く求め、日本の愛国者として、ここに声明を発すものである。 |
平成二十九年十二月十二日 |
対米自立実行委員会 |
駐日本国米国大使 ウィリアム・F・ハガティ 殿
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【緊急 抗議街宣】トランプ大統領に警告!
首都・エルサレムの妄言を撤回せよ 平成29年12月12日 米国大使館前 |
(↓ 画像クリック拡大) http://nipponism.net/wordpress/?p=35123 |
日章旗とパレスチナの国旗を掲げ寒風の厳しい中を緊急抗議の開始 |
パレスチナ人へ連帯を!彼らの国家樹立と民族自決は誰もこれを阻むことは出来ない |
抗議文を米国大使館へ、これを阻止する警察と激しく応酬 |
「日米同盟」を固守する自民党政権の下で、米国大使館への抗議は徹底的に排除される屈辱だ |
大使館から遠く隔てられたJT前で、木村三浩氏が怒りの抗議文を朗読 |
民族自決は何もパレスチナ人ばかりのものではない。 |
◀︎『虐日偽善に狂う朝日新聞―偏見と差別の朝日的思考と精神構造』 (酒井信彦 日新報道) 著者・酒井信彦が朝日新聞に踊らされる日本人の精神構造を解く。 |