確信犯に寄せる保守派の妄言を糾す
12回も「河野談話」の踏襲を明言した安倍晋三 |
曖昧戦術ではなく断言せよ!(自民党本部前 平成24年12月19日) |
朝日が今日の朝刊トップで報じた記事が安倍首相の変身だった。選挙公約で、「政府主催の式典実施」を明言した竹島の日に安倍総裁は見送りの決定を示した。未だ、首相指名に至る前にしてこの変身、先が思いやられる。思えば先に、安倍晋三が首相就任早々と、靖国神社への公式参拝をしないと表明した“前科”を彷彿させる。この再任安倍首相に期待して止まない保守派は「竹島の日、政府式典見送り」をどう釈明するのか。 |
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【参考】 |
竹島の日、政府式典見送り 安倍氏方針 http://www.asahi.com/politics/update/1221/TKY201212201011.html |
この問題はまた後日に取り上げるとして、保守界隈に蔓延しつつある、安倍晋三が「河野談話」を閣議で否定したとする妄言について触れて見たい。 |
過日、選挙戦の最中にだが「つくる会」の空花正人氏から通信が送られてきた。その中で彼は、「河野談話は安倍政権下2007年の閣議で否定されています」と明言し、さらに、「安倍さんは前回と比べ真剣さが違います」と安倍批判に対する返信があった。
政治とは極めてプラグマティズムを貫く冷徹な作業である。本人の意志や人間性が如何なるものかに関わらずその結果に全てが求められる。政治家であるならば、それは選挙公約であり、その選挙公約をどれほど実現させたかで政治家としての力量並びに資質が判断される。つまり、約束を守ったか否かである。
自然科学の世界では、己の予見は実験で証明してこそ、初めて科学者としての力量並びに資質が評価される。政治の世界でも然りだ。政治家が口にした公約(予見)は、実現(証明)して、初めて政治家としての力量並びに資質が評価される。
反民主を唱え、安倍晋三を応援するのも結構だが、言ったことを実現させてこそ政治家だ。愛国とか保守運動を有名人にあこがれる「ファンクラブ」にさせては見苦しいし、政治運動の支援を芸人の追っかけレベルに落としてはならない。政治家を推し量る判断基準は有言実行であり、それ以外は無いと言っていい。
「前回と比べ真剣さが違います」など、空花氏は何を根拠に「真剣」さを推し量れというのか、皆目見当もつかない。「黒ネコ白ネコ論」ではないが、不真面目で結構、有言実行が全てだ。「河野談話」の白紙撤回と首相の靖国神社公式参拝を実行するのが、愛国運動にとっていい政治家なのである。
ところで、「河野談話は安倍政権下2007年の閣議で否定」なる根拠を空花氏に問い尋ねたが、一向に返信がないので当方で資料を当たって検証してみた。
若干の検証で明らかになるのは、「河野談話」の踏襲では安倍晋三は“確信犯”だった。下記に羅列した事実を直視し、一部の保守派は期待という妄想からいい加減目を覚ますべきだろう。
自民党が閣議で「河野談話」を白紙撤回並びに否定した事実があるならば、主権回復を目指す会と河野談話の白紙撤回を求める市民の会は、現在まで継続中の撤回署名運動を中止しなければならない。また、付け加えるなら、これまで内閣府へ署名簿を提出してきた際も、担当者から自民党が閣議で「河野談話」を否定したとは聞かされていない。
信ずるのも結構だが、信ずるのが保守愛国運動ではないだろう。
◆安倍晋三は9/20に総裁に選出され、選出から僅か3週間後の10/10に「河野談話の継承」を「閣議決定」している。↓
第165回臨時国会にて(*第165回臨時国会:平成18年9月26日~12月19日。9月20日の自民党総裁選挙において選ばれた安倍晋三総裁による内閣が最初に臨んだ国会。) |
◆同じく辻元からの質問に対する答弁。2007/4/20付で、2つの答弁書で「河野談話の継承」を認めている。↓
第166回通常国会にて(*第166回国会:平成19年1月25日~7月5日) |
◆西村真悟議員の質問に対する安倍晋三の答弁、「河野談話」の継承を決意 ↓
第166回通常国会にて(*第166回国会:平成19年1月25日~7月5日) |
◆辻元清美にも「河野談話」の踏襲を明言 ↓
平成十九年五月二十八日提出 質問第二六六号 |
◆安倍は辻元に乗せられ、オランダ人にまで「慰安婦強制連行」を謝罪している。↓
平成十九年五月二十八日提出 質問第二六七号 |
◆これだけ「継承」の閣議決定をしておきながら、「強制性(河野談話の前提)を閣議決定で否定しました!」と主張する安倍晋三をどう理解すればいいのか、人格障害でしょうか? 保守派にお伺いしたい。 ↓
平成十九年七月三日提出 質問第四七八号 答弁書 |
◆理解できない安倍晋三のメンタリティー
11/30にも「強制性を否定する閣議決定をしている」と発言していたが、これは2007/3/8の辻元からの質問に対する答弁の(同3/16)「また、同日の調査結果の発表までに政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかったところである。」と述べている部分を指している(《答弁A》)
ところが、これに対する再質問が行われており(同5/28)、対する答弁で(6/5)、事実上、それを翻しているから、到底理解できない。↓
補足資料 ** |
◆下院121号決議が可決された直後の国会答弁。相変わらず踏襲をオウム返し。任期中、答弁書で「河野談話の通り」「継承する」と答えた回数、実に12回。答弁書は「内閣の総意=全員一致が原則」からして、当時の閣僚も同罪である。他に予算委員会などでも度々継承を宣言している。↓
第167回臨時国会。 (2007/8/7-8/10) ** (全文) 慰安婦問題に関する政府の基本的立場は、平成五年八月四日の内閣官房長官談話を継承しているというものである。 二について 御指摘の決議の内容につき一つ一つ取り上げて意見を述べることは差し控えたいが、全体的に言えば、特に、慰安婦問題に対する日本政府の取組に対して正しい理解がなされていないと考える。 |
以上見てきたように、安倍晋三は「 河野談話」の踏襲を繰り返している。これは確信犯ではないのか。それでいて、「強制連行」を否定し続けている様は論理の整合性もかなぐり捨てた醜悪そのものでしかない。 |
12回も「河野談話」の踏襲を明言した安倍首相に厳命する |
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「河野談話」の否定も出来ず、どうして |
第52回アンチ「水曜デモ」 |
【動画】『安倍再政権に厳命する』河野談話を白紙撤回せよ!12.19 第11回
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