外務省へ要請 止めよう米国追随!日本独自の対シリア外交の展開を

外務省へ要請 止めよう米国追随!
日本独自の対シリア外交の展開を

悪の三枢軸国(米・英・仏)の
シリア侵略を許すな!

【首相コメントの姑息】

安倍首相4月14日、シリアが化学兵器使用という事実並びに詳細を我々国民に明らかに説明しないままいち早く米国の武力攻撃を支持した。化学兵器を誰が使用したかも不明なまま、一方的にシリアを悪として、国際法と国連憲章も踏みにじった米国によるシリアへの空爆を支持表明したのである。

安倍首相の「米英仏の決意を支持する」とのコメントは、注意深く読めば、「化学兵器の使用と拡散、それに伴う非人道性を許せない」として、「空爆」の支持を明確にしている訳ではなく、極めて姑息な表現で完結している。単なるアリバイ作り、日本独自の対シリア外交など欠片もない。

※参考【米英仏の決意を支持する】
 https://www.sankei.com/politics/news/180414/plt1804140011-n1.html

一方これに先立って、外務省は4月7日、シリアにおける化学兵器使用報道に関して、いち早く外務報道官談話を発表した。

※参考【シリアにおける化学兵器使用報道について】
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/page4_003909.html
    1 4月7日(現地時間同日),シリア・アラブ共和国の首都ダマスカス近郊の東グータ地区において,化学兵器が使用された空爆により多数の市民が死亡したとの報道に接し,深く憂慮しています。

    2 化学兵器の使用はいかなる場合でも許されるものではなく,化学兵器の使用が事実であれば,我が国として,これを強く非難します。

    3 関係国及び機関による事案の早急な真相究明を期待します。また,我が国は,全ての暴力の停止に向け,国際社会と連携していく考えです。

【玉虫色の外務報道官談話】

この件に関して4月17日、主権回復を目指す会は一水会・伊藤邦明事務局長と山口祐二郎・対米自立実行委員会代表と共に外務省を訪れ、新村 出・中東アフリカ局 中東第一課 地域調整官へ、緊急声明文「米英仏のシリアへの空爆・侵略を許すな!」を手交した。席上、新村地域調整官に対して、安倍首相の対米追随と主体性の欠如、外務報道官談話(4月7日)の独自性を欠く曖昧さを指摘、我々の声を首相官邸にしっかりと届けるよう申し入れた。

外務報道官談話だが、玉虫色に染めたというか、気の抜けたビールのような談話である。先ず第一に「報道に接し」とあるが、その報道の出所は何処かである。その全てが「シリア人権監視団」が流す情報と言っていい。ここの何処にも日本の独自性などない。ただの垂れ流しである。

【根拠なきシリア空爆】

反体制派の拠点である東グータ地区が、間もなくアサド政権によって解放される苦境のなかで4月7日、「シリア人権監視団」は「空爆で子どもを含む500人以上に、塩素ガスなどの化学兵器によるとみられる症状が出た」とリーク、この“情報”を拠り所にして、今回も米英仏はシリア空爆に及んだのである。昨年4月、トランプ大統領が空爆に及んだ時と全く同じ構図を描いている。

米英仏の強行するシリア空爆の根拠は、全てこの胡散臭さ極まる「シリア人権監視団」が流す情報による。シリアの反体制派が苦況に追い込まれる度に、彼らは子供らの痛々しい写真を流布してアサド政権の“残虐”を発信している。シリアにとって、化学兵器を使用すること自体、アサド政権の打倒をもくろむ米国につけいる口実を与える。同政権がこれら米国の意図を知らぬ訳がない。米国が空爆の意志示す状況下で、彼らに口実を与える化学兵器を使用するなど到底考えられないことは自明の理ではないか。シリア空爆の根拠などでっち上げである。

【断絶状態を続ける安倍政権の対シリア外交】

さらに、「関係国及び機関」「国際社会と連携」とある。その文言や良しだ。日本はシリアと国交を結んでおり、ダマスカスに日本大使館がある。当然、わが国にも在日シリア大使館が歴として存在している。この件に関し、新村地域調整官に安倍政権並びに外務省はシリア大使館側と、化学兵器使用にまつわる何らかのコンタクトを取っているかと尋ねたところ、全くしていないことが分かった。

シリア大使館とコンタクトを取らないと言うことは、当事者国のシリアを完全に無視、相手にしていないこと、外交関係の断絶と言って良いのでないか。こんな状態で、「国際社会と連携」などと幾ら宣(のたまわ)ったところで、我々国民は聞く耳を持たない。

外務省は時の政権の外交政策を担う行政機関である。省自体が政権の意に反して、独断で外交政策など出来るはずがない。対シリア外交は時の政権、安倍・自民党政権にある。わが国の安倍首相は米国の言いなりに、忠犬振りを演じているだけではないか。何たる主体性の無さ、ここの何処に一国の首相として、また主権国家としての矜持があるだろうか。ただただ、米国トランプ大統領の顔色を伺い、媚びを売っただけだ。

因みに、新村地域調整官に今回の空爆で、「米国政府から安倍政権と外務省に、シリアとの接触を絶つような要請があるのか」と尋ねたが、そうしたことは「全くない」とのことであった。

【米・英・仏は悪の三枢軸国】

2003年(平成15年)、米国は対イラクの「大量破壊兵器拡散と使用」の存在を上げ、「米国の安全保障にとって個別的自衛権の行使は不可欠な利益」(ブッシュ大統領)だとして侵攻の根拠を訴えた。今度のシリアにおいても、大量破壊兵器の代わりに「化学兵器の拡散と使用」を空爆の口実にしている。言い草は対イラク戦のでっち上げと瓜二つである。

今回のシリア空爆も侵略以外の何ものでもない。まるで米・英・仏は悪の三枢軸国ではないか。わが国の安倍首相は悪の三枢軸国の侵略行為に反対を表明できず、実質的に支持を表明したのである。安倍首相はシリア侵略に加担して悪の下僕に成り下がってはならない。


外務省へ要請 止めよう米国追随!
日本独自の対シリア外交の展開を

平成30年4月17日 外務省
(↓ 画像クリック拡大)

外務省は安倍政権に積極的に提言を!
対米追随から脱却して日本独自の対シリア外交を展開するよう


安倍首相はこれ以上の愚者を演じてはならない!


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 (酒井信彦 日新報道)

 著者・酒井信彦が朝日新聞に踊らされる日本人の精神構造を解く。

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