安倍政権、裏切る方も 裏切られる方も無惨で醜悪 |
梅本和義・国連大使は11日の国連総会で「日本は歴史の事実を謙虚に受け止め痛切な反省と謝罪を伝えてきた」と反論(朝日新聞)したそうだ。
『慰安婦問題巡り日韓が主張合戦・国連総会委員会』
(朝日新聞夕刊 平成25年10月12日) 韓国の趙允旋女性家族相は11日、国連総会第3委員会(人権)で従軍慰安婦問題を取り上げ、名指しは避けつつも日本を批判した。日本側が「真の謝罪をし、責任ある対応を取る」ことが必要だと述べた。 |
朝日などは日本側の反論としているが、しかし、これは反論でも何でもなく、「河野談話」の文言を朗読したものに過ぎない。慰安婦強制連行を認めた「河野談話」の踏襲を表明したことだ。国連総会で「談話」の精神に基づき、韓国側へ慰安婦強制連行を謝罪したのである。
また、梅本大使は慰安婦問題が「(日韓基本条約で)法的に解決済み」と抗弁にこれ努めているが、法的解釈云々を口にすること自体が誤ちであり、外交上の大失態である。
日韓基本条約は昭和27年から交渉を開始し、足かけ14年をかけて締結した。だが、その間の交渉は主として徴兵、徴用などの取扱い、未払い賃金が重要な議題であって、いわゆる「慰安婦問題」は一言も取り上げられなかった。なぜ議題の俎上(そじょう)にすら上がらなかったのか。無かったから、存在しなかったから上がる訳がなかった。ましてや、慰安婦強制連行なる文言など何をか況(いわん)やである。
法的な「決着」で問題を処理すれば、歴史捏造の慰安婦強制連行を認めたことになる。韓国と戦時売春婦の嘘とでっち上げを認めたことになるではないか。国連総会での梅本大使の答弁は、日本民族に冤罪を擦り付ける売国行為と言っていい。
梅本大使のこうした抗弁や謝罪は、なにも彼個人のスタンドプレイではない。彼は自民党・安倍政権の特命大使でもある。その使命に従って現政権の外交政策を公式の国際会議で述べたまでである。
自民党・安倍政権は選挙公約で、「河野談話」の見直しを保守派に向かって盛んに訴えた。保守派はそれを受けて、安倍政権の登場を「救世主」とか「期待の星」と仰いだが物の見事に裏切られている。しかし、この手ひどい裏切りを、糾弾せずに沈黙で終始している。その惨憺たる結果は裏切る方も、裏切られる方も実に無惨で醜悪である。
【参考】『韓国、国連委で日本に謝罪要求 慰安婦を柱に演説』
(東京新聞 10月12日) http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013101201001083.html |
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