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樫田 祐亮 『真に理解できた警察の横暴
愛国運動は国家権力の横暴に屈しない』
── その3 ── |
【地検取り調べ第一回目「小さい事件だから認めろ」】
東京地検公安部による一回目の事情聴取8月8日13:35~14:30
私が書類送検をされたのは4月28日であることを聞かされる。
取調室には小谷検事と事務官の二人。机の上には厚さ10cmぐらいはある捜査資料のようなものが置いてあった。特に調書を作成する感じもなく、どちらかと言えば面談のような形だった。
周りを見渡す私に向かい、
小谷「どう、認める気になった?私はあなたのためを思って正直に話して欲しいと思っている。あなたは西村さんや周りの人に嘘を付いている。こんな小さい事件なんだから早く認めたほうがいい。それがあなたの為だと思う」
検事からのあからさまな且つ露骨な自白強要である。
私 「やってもいないことを認める気はありません。西村さんや周りの人に嘘を付いているとはどういうことですか?」
小谷「あなたはやっているからだよ」
私 「警察で話をした主張内容をご存知ですよね?悪いですが、あなた方の描いたシナリオには応じられません」
小谷「このままだとあなたは起訴されて有罪になりますよ?それでもいいんですか?」
私 「起訴するかしないかは小谷さんの上の判断であって、小谷さんの一存で決められませんよね?有罪か無罪を決めるのは裁判所であって、検事のあなたが決めることではないでしょう」
小谷「まあ有罪かどうかは裁判所が決めることだけど、私から見てどう考えても有罪になるだろうね」
私 「そうですか。それなら好きにしたらいいと思います。私は公判で自身の正当性を訴え、最高裁まで徹底的に戦います」
小谷「こんなの大した事件じゃないんだから、そんなに堅苦しく考えなくてもいいんだよ」
私 「事件に大も小もありません。私の人生が懸かってるので徹底的に戦います」
小谷「では、否認という事ですね」
私 「否認も何もやってない事はやっていないと言い続けてるだけです」
小谷「そうですか。非常に残念ですね」
私 「こちらとしても残念に思います。無実の人間にここまでするなんて警察、検察権力にはがっかりしました」
小谷「まあそんなに怒らないでよ」
私 「そりゃ怒りますよ。愛国活動をしてる人間がそんなに目障りなんですか?」
小谷「そんなことないよ。私もどちらかと言えば保守だし。勘違いしているようだけど、ここには色んな思想の人間が来る。所謂極左の過激派団体の人、右翼団体の構成員も、公安事件の外国人も来る。シーシェパードも私が担当した。公安三課みたいに右派だけを担当しているんじゃなくて、全ての思想犯、公安犯を担当している」
私 「なぜその中で私が選ばれたのですか?当局に睨まれるような具体的な何かをしましたか?」
小谷「それは私にも分からないし、知っていても教えられない」
私 「そうですか。ではこれ以上話をしていてもしょうがないので、話を前に進めて頂きたいのですが?」
小谷「そうだね。ではあなたはやっていないという事で良いんですね?」
私 「はい。終始同じ主張です」
小谷「分かりました。では今日はこれで終わりにします。また連絡しますので気が変わったり、何か思い出したらいつでも連絡して下さい」
私 「もうこれ以上のことを思い出さないと思います。それでは失礼します」
次回また呼び出すと言われこの日は終了した。
【地検取り調べ第二回目「上(公安部長?)は何が何でも起訴しろ」】
二回目の事情聴取10月18日13:30~16:20
この日は私が傷害を犯した証拠が映っているとする、警察の撮影したビデオを見せてくれると言う。
小谷「あれからどうですか?考えは変わりましたか?」
私 「何も変わりません。私の主張が正しいと思ってます」
小谷「上の者は早く起訴してしまえと言っている。しかし君の事を思って私が止めている」
私 「そうですか。上の者って誰ですか?何対何ぐらいの割合で起訴しろと言っているのですか?」
小谷「公安部の偉い人、私の上司や部内で言っている。7:3ぐらいで起訴しろってなってる」
私 「そうですか。好きにして下さい。私は裁判で自身の無実を証明します。最高裁まで徹底的に戦います」
小谷「まあまあ。そんな蹴り飛ばしたとか大袈裟な事じゃなくて、軽く足をかけてるんだよね。そんな大きな話じゃない。君が足をポンって出して被害者の足を引っ掛けた形になるのかな」
私 「それじゃあ当初の警察が言っていた罪状と話が違ってきますね。まあどんな形であれやってません」
小谷「三課がどのような言葉の言い回しをしたかは知らないが、私から言わせると君が足をかけて相手はそれで転んで怪我をしちゃったんだよ」
私 「昭和通りで集会妨害者に突進されてぶつかった時しか接触してないので、それは有り得ません」
小谷「その時じゃないの。その10秒後ぐらいに君が足をかけに行ってる映像があるんだよ」
私 「当初言われていた罪状と話が変わってきてますし、10秒後の出来事なんて初めて聞いたのですが?」
小谷「あれ、そうなの?おかしいな。三課にはちゃんと言ったんだけどな。じゃあこのビデオも見てないの?」
私 「はい。写真を2枚だけ見せられましたがビデオは見せてもらってません」
小谷「そうだったんだ。おかしいな、じゃあ今から見よう」
そういってノートパソコンを手に取り、私の座っている所へ来て開いた。
小谷「じゃあ初めから犯行の場面まで見せるから、見ながら色々思い出してよ。良く見ててね」と当日の集会準備をしている場面あたりから再生が始まった。
角度が違うもののこちら側の映像とほぼ同じ時間軸の映像であった。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=qHn6R626Law&feature=channel_video_title
上記の映像の始まりからおよそ15分後の14:50頃、この集会妨害者が逃走した昭和通りでの映像が流され、私が足蹴りをしたという証拠の映像が映された。
小谷が問題としている場面の映像には私と集会妨害者が接触をしたあと、数秒後にすれ違った際に集会妨害者が一瞬映像から消え、その後画面から見て上方に早歩きで立ち去るシーンが映っていた。
【何も映っていない証拠ビデオ】
小谷「どう?」
私 「はぁ?『どう』って何がですか?」
小谷「一瞬、被害者が消えたよね?」
私 「消えましたね」
小谷「この時君が足をかけて転んでいるんだよ」
私 「ちょっと仰ってる意味が分かりません。どういう事ですか?」
小谷「だから君と被害者がすれ違った後に被害者が画面から消えてるよね?この時君はこの被害者の方に一歩踏出して足をかけて転ばせたんだよ」
私 「確かに一瞬画面から消えていますが、これ転んでるんですか?全く分からないのですが、足をかけていると主張する場面はどれですか?」
小谷が言いたいのは、こういうことだ。すれ違った際に私の足が必要以上に大きく一歩を踏み出していて 、その足が集会妨害者にかかっていて転倒をさせたから、その男が画面から「一瞬消えたよ」と。検事は問題の大股で踏出した一歩の踏出し方をアクション付きで必死に説明をする。
私 「大股とかではなく私からすると普通に踏出した一歩なのですが」
小谷「だってこんなに大股で歩くのは不自然だよ。だって約80cmぐらい踏出してるじゃん」
私 「そうですね。私普段からこれぐらいの歩幅で歩いています。私は身長183cmあるのでこれぐらいの歩幅が標準です」
小谷「そっか。私は小さいからあれだけど、あなた大きいもんね」
私 「はい。小谷さんは165cm前後かと思うので不自然に思うかも知れませんが、私の身長ぐらいの人間であればこんなもんです」と説明し、私も椅子から立ち上がり、取調室を歩き回り普段どれぐらいの歩幅で歩いているかを見せる。
小谷「うーん、そうだね。映像と同じぐらいの歩幅だね」
私 「そうですね。普段からこれぐらいの歩幅なので大股で足を出している訳ではありません」
小谷「でも被害者は転んでいるんだよね」
私 「この消えた瞬間ですか?」
小谷「そう」
【証拠の代わりに自白を強要する検事の誘導】
私 「そんな事知りませんよ。私が一歩踏出したのと転倒した事と、それが傷害に結びつく因果関係が全く理解出来ない。説明してもらえますか?」
小谷「だから君が意図的に足を出して被害者に足をかけ、転倒させて怪我を負わせたんだよ」
私 「そんなシーン映ってませんが、どこにありましたか?」
小谷「君が大股で出した一歩の後、被害者が転んでるじゃない」
私 「映像から一瞬消えてますが、転んだかどうかは確認出来ませんよね?それと私の踏出した足が当たってる瞬間の映像もありませんし、証拠なんて全く無いじゃないですか?一体どういう事なんですか?」
小谷「まあ、こっちの主張はそういう事なんだよ。それでもやってない?」
私 「ですから私は最初からやってないと主張してますし、そちらの主張する足をかけたシーンなんて何も映像に映ってないじゃないですか」
小谷「こっちは君が足を出した瞬間に被害者が映像から消えているから、転んだと思っている。実際怪我もしているし」
私 「怪我をしているという映像なんて映ってないですよね?そんなもん転んだから怪我したとは限らないじゃないですか」
小谷「何でこの時に一歩を踏出したの?」
私 「歩く為にです。集会妨害者が立ち去っていく写真を撮る為に、この方向に一歩踏出してるんです」
小谷「そっか。じゃあいいや。君の証言は変わらないんだね?」
私 「ええ、私の主張、証言は終始一貫していると思います」
その言葉を聞くと漸く観念した小谷検事は、私の証言した内容の調書を作成する為に事務官に向かって調書内容を語りかけ始めた。
この間30分以上に及ぶ押し問答と、自身の潔白を証明する為に身振り手振りを加え何度も同じ説明をした。調書作成中に色々小谷検事に質問をしてみた。
【捜査指揮は上司(公安部長?)】
私 「今回の事件は一体誰に命令されて動いているんですか?」
小谷「誰って私の上司だよ」
私 「上司って公安部長ですか?」
小谷「まあそうだね。これ以上は言えない。色々言うと怒られちゃうからさ」
私 「その公安部長は、一体私の何が気に食わないんですかね?」
小谷「僕も詳しい事は分からない」
私 「そうですか。それと集会妨害者に対してこちら側からも、集会の自由の侵害と威力業務妨害で被害届けを出しているので受理して欲しい」
小谷「あれだと威力業務妨害にはならないんだよ。言いたい事は分かるが威力を持って妨害はしてないから取り締まるのは厳しいかな」
私 「西村さんたちが似たような状況で有罪になっているという判例があるんですが?」
↓
【参考】
【これでも日本は法治国家なのか-「不当勾留九ヶ月間で考えたこと」 】
http://shukenkaifuku.com/past/ronbun/Ronbunshuu3.html
小谷「そうなの?それは知らなかった。でもちょっと立件するのは難しいかな」
私 「そうですか。なら中身の入った缶ジュースを投げて逃げた妨害者もいるんですが、これは完全に威力を持った妨害です。当たっていたら命に関わるぐらいの怪我をする行為なので捕まえて下さい」
小谷「その場面見てないからね。証拠はある?」
私 「自転車で去り際に投げてすぐ逃げてしまった。警察に言ったが聞く耳を持たず取り逃がしてしまったので、検察として動いて欲しい」
小谷「逃がしちゃったんならもう無理だよ。こちらとしては何も出来ない」
そういったやり取りの間に調書の作成が終わり、出来上がった2枚の調書に間違いは無いか目を通して欲しいと頼まれた。一語一句見落とさないようきっちり目を通した。恐らく5回以上は読み返したと思う。
小谷「これで間違いはありませんか?」
私 「間違いありません。それより起訴するんですか?起訴されるならこちらも色々準備があるので教えて欲しい」
小谷「他にも案件を抱えてるの、忙しくて(できない)」
私 「起訴されるなら起訴された事に対応する準備があるので教えて欲しい」
小谷「ああ、わかった。じゃあ今月一杯ちょうだい。起訴する事になったら郵便で起訴状が届くから」
私 「不起訴の場合は?」
小谷「不起訴の場合は今月中に電話するよ」
こうして全ての事情聴取が終わった。
警察による聴取が5回。検察庁による聴取が2回。取り調べ時間は合計約16時間にも及んだ。
だが約束をしていた10月中に検事から連絡はなかった。11月2日、私は朝鮮人売春婦による慰安婦強制連行を糾弾する活動に参加するため、主権回復を目指す会の事務所を訪れた。その際、西村代表から「もう11月だけど検察から連絡はあった?」と尋ねられた。
私 「いや、それがまだ無いんです。もしかしたら起訴されてるのかもしれません」
西村代表「そんな訳が無い、ふざけてる。直接小谷に電話をして確認をする」と小谷検事に電話を。
西村代表「いい加減にしてくれよ。一体いつまで引き延ばすんだ。こっちも忙しいんだから、起訴するかしないか早くしてくれ」と、早急に結論を出すよう小谷へ申し立てをした。
小谷「はい。早急に決定して連絡をしますので、もう少し待って下さい」
するとその当日2日、韓国大使館前での抗議活動が終わり16:25頃、小谷検事から「不起訴になりました」という趣旨の電話が来た。ようやく国家権力による不当弾圧の呪縛が解かれ、晴れて不起訴となった。
↓
【緊急報告】起訴処分の撤回勝利!(検事からの通知書貼付)
http://nipponism.net/wordpress/?p=6568
−−+ 終わりに +−−
【無いことを証明する難しさ】
1月24日に家宅捜査をされ、11月2日に不起訴が決まるまで約10ヶ月と非常に長い時間を要した。この間、自身の無実の証明をするのには非常に苦労した。有るものを有ると説明するのは簡単だが、無いものを無いと簡潔に説明するのはとても困難であった。
この中で仕事中に突然警察から電話がかかってきたりして、全く仕事が手に付かないときもあった。束の間の休日に出頭をさせられた日もあり、非常に精神的苦痛を強いられ、まともに社会生活を営むことすら困難な日々であった。
もし皆さまも同じような状況になったら決して慌てず冷静になり、キチンと事実を思い出してブレずに主張して頂きたい。
それでも警察や検察は執拗に手を変え品を変え、何とか彼らにとって都合の良いような自白をさせようとしてきます。その際は決して相手のペースに乗っては駄目です。
自分のペースでゆっくり考え自分自身の言葉でしっかりと証言し、十分納得した上で調書に捺印をして下さい。時間など何時間かかっても良いのです。
納得出来ない調書が作成された場合は署名捺印を断り、即座に退席して弁護士に相談することをお勧めします。
そして現在の我々愛国陣営は二大政党に批判的立場を取れば、反政府的な立場に位置する。このことを皆さまにしっかり認識して頂きたい。
同志の中でもむやみに公安警察と仲良くしてしまっている人も見受けられます。公安警察というのは、我々と対峙している現政権の諜報員であり、職務を遂行する為ならどんな手でも使ってきます。このような相手と親密に仲良くしていれば、結果がどうなるのかなどは容易に想像が出来ると思います。しっかりと己の置かれている立場をわきまえ、今後の活動の更なる飛躍を切に願っております。
第一回の取り調べが行なわれた当日、万世橋署の前で、デモ参加者の仲間が警察に対する抗議の街宣をしてくれましたが、どれだけ勇気が与えられたか分かりません。共に活動を行っている皆さまからの温かいお言葉や励ましもあり、とても心強く本当に助けられました。
この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。
樫田 祐亮
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