沼山光洋君の自決に思う

沼山光洋君の自決に思う
自己完結には美辞麗句より冥福のみが相応しい

【ただただ無念の死】

当会の創設に関わり、副代表を担ってきた沼山光洋君が5月11日に割腹という凄惨な自決をした。かなり身近に接してきた故、その死に人一倍の哀悼の意を捧げる。彼の自決にネットなどで、田母神俊雄氏が「立派な侍」とか「見事な切腹」などと称賛されているが、早すぎる死にただただ無念の感情しか残らない。

常日頃、彼と共有していた認識は「我々は絶滅を免れた日本人である」と言うことであった。80年代のシナとの間の教科書問題、南京問題、靖国参拝問題、慰安婦問題、長野聖火リレー、領土問題などなど・・・。シナ、朝鮮を相手に戦ってきたが全てに於いて敗北に継ぐ敗北を重ねてきた。ある意味において、日本は既に終わったと言っても良い。

【自己完結には美辞麗句より冥福を】

昭和天皇は玉音放送(昭和20年8月15日)で、敗北の屈辱に打ちひしがれる国民に向かって「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び」とのお言葉を述べられた。

それから、戦後74年を経た今の日本はどうか。戦勝国の米国は列島各地に軍事基地を張り巡らし、引き続き占領軍として我が日本の主権を蹂躙している。シナ、朝鮮からは歴史捏造の数々を受け入れる屈辱に継ぐ屈辱を強いられている。「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び」の時代は今なお続いている。

こうした状況下で、我々は殲滅を免れた敗残兵であり、降伏を拒絶して戦うゲリラである。ゲリラの本分は生き永らえることにあり、沼山君とは生ある限り決して諦(あきらめ)ないと語り合ってきた。これが彼との共有認識であった。しかし、彼はゲリラとして戦う意志を示すのではなく、自決の道を選択した。死生観は人それぞれ、彼は彼なりの人生の自己完結を果たした。その観点から言えば、「立派な侍」とか「見事な切腹」などと誉め称える声に違和感を覚える。自己完結には美辞麗句より冥福のみが相応しい。

【御親拝は偏(ひとえ)に陛下ご自身の決断に】

沼山君は遺書並びそれに近い言葉を、「靖国神社御親拝をお望みであらせられる天皇陛下が、靖国神社へ御親拝できない状況を打破できない、天皇陛下の靖国神社御親拝を妨げる勢力を打倒できないことをお詫び申し上げる」と残した。

誰よりも靖国神社御親拝を表明しているのが当の靖国神社であり、御親拝そのものは偏に天皇陛下ご自身の意志にあるのであって、他の誰でもない。陛下ご自身の決断をシナ、朝鮮の抗議、中曽根内閣の不参拝、「富田メモ」のせいにすり替えては宜しくない。

平成の天皇は憲法並びに皇室典範を余所(無視)に、宮内庁ではなく民間のマスメディアをお使いに世論を操作され、一代限りの「退位」を実現された。天皇陛下には象徴とは雖(いえど)も、それだけの絶大な威光と見えざる権限が存在する。その天皇が「御親拝を妨げる勢力」に気兼ねされ、斯くも長期に亘って靖国神社御親拝を避けるなどあり得ようか。御親拝云々は偏(ひとえ)に陛下ご自身の決断にお有りになる。

【「道路」ではなく神域での自決だ】

田母神俊雄氏は沼山君の自決を、「靖国神社の敷地内ではなく敷地外の道路上であったのは彼が靖国神社に迷惑をかけないようにと考えた行動」と語っているが、これは相当な曲解ではないか。彼の自決した場所は道交法でいえば「道路」であろうが、下乗の立て札を前にした歴とした神域である。神社一帯は御霊を祀る静謐な祈りの空間であり、「敷地」の概念で捉える次元ではない。

馬鹿馬鹿しい仮定だが、抗議の目的でその人の敷地ではなく、玄関を前にした道路で自決し、怨嗟の遺書を残したらどうか。「道路での自決だから、家には迷惑がかからない」などという理屈が通るだろうか。

凄惨な自決の報に慄然とするが、彼は彼なりの人生の自己完結を果たした。「立派な侍」とか「見事な切腹」云々より、心静かに穏やかに彼の冥福に祈りを捧げたいものである。

【靖国神社御親拝ではなく、テニスを楽しまれる上皇ご夫妻】

上皇ご夫妻は5日午後、東京都港区の東京ローンテニスクラブを私的に訪問し、テニス仲間らと旧交を温められた。4月30日に上皇さまが退位されて以降、ご夫妻の皇居外への外出は初めてとみられる。同テニスクラブは、ご夫妻が結婚前から一緒にテニスを楽しまれた場所として知られる
(日経 2019/5/5)

上皇ご夫妻の初の外出がテニスとは!

私はニュース映像やこの記事を見て、今更ながら強烈な虚無感と言うべきか無常観に陥った。天皇を退位されたお二人が、何をさしおいて行かれるべき場所は皇居の隣にある靖国神社であり、そこでの御親拝であるべき筈だった。国家に命を捧げた靖国の御霊より、「結婚前から一緒にテニスを楽しまれた場所」が、そして仲間との交友が優先されたのである。

沼山君の自決が5月11日、天皇陛下を熱烈に崇拝且つ敬愛する彼が一週間前のこの外出ニュースを知らない筈はないだろう。これをどう思うか彼に聞きたいところだが、黄泉に旅立った今では叶わない。

本日は沼山君の初七日である。合掌




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 (酒井信彦 日新報道)

 著者・酒井信彦が朝日新聞に踊らされる日本人の精神構造を解く。

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