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戦後80周忌に寄せて

真の追悼とは何か 8月15日を「終戦」と言い換える偽善はやめよう 主権回復を目指す会   日本国民党党友   西村修平   8月15日は連合国側が提起していた降伏条件(ポツダム宣言)を日本側が受諾した日であり、厳密にいえば「終戦」ではなく一時的停戦を双方が確認した日といえる。軍事的な抵抗を皆無にまで破壊された無惨な戦争状態が、天皇陛下の決断によって終止符が打たれた。8月15日は「終戦」ではなく紛れもない敗戦、しかも実質的な無条件降伏といって良い。敗戦を「終戦」と言い換えるのは偽善だ。誤魔化しは止めよう。正式な終戦は昭和28年4月28日に発効したサンフランシスコ講和条約の締結日である。 【明治憲法が抱える統治システムの矛盾】 戦争とは政治の延長である(クラウゼビッチ :Carl von Clausewitz)。闘うのは軍人であるが、戦争を始めるのも、戦争を終結させるのも、軍人ではなく政治である。3月10日の東京大空襲に象徴される制空権の壊滅、その間終戦に至るまで6ヶ月間にもわたって無防備の国民が日夜米軍によって殺戮されていた。さらに2発の原爆投下と・・・、まさに殺戮列島といっても過言ではなかった。 当時の政治は我が国民の生命を守ることができなかった。つまり、戦争を終結させる能力、統治体制が国家になかった。戦争を統括、コントロールする政治がシステムとして存在しない、統帥権を含め、明治憲法が抱えていた統治システムの矛盾が国家の危機に際し一気に露呈したのである。戦争を誰も収束できなかった。 【無条件降伏という悲惨】 惨憺たる国家の現状において、遅きに失したとはいえ、天皇陛下の「聖断」によって民族の殺戮に一応の終止符が打たれた。つまり、政治ではなく天皇の決断を仰がなければ国家と民族を救えなかったのである。極めて歪な体制といえる。軍人・軍属、民間人を合わせて約300万人以上の同胞が命を失った。命ばかりではなく先人が築いてきた全てに近い財産を失って無一文になり、日本列島に閉じ込められた。 そればかりではない。戦争責任としてA級戦犯7名、さらに捕虜虐待と称したBC級戦犯930余名がまともな裁判、審理さえ受けず異国で処刑されていった。満州ほか、海外にいた同胞が無防備に晒され、言葉で言い表すことができない凄惨な逃避行の憂き目に目にあった歴史は言うまでもない。これが天皇という国体が護持された上での「終戦」、つまり実質的な無条件降伏であった。無条件降伏とは戦勝国の為すまま、日本が相手の要求を全面的に受諾することである。世界史においても稀に見る無残な大敗である。 【地球上から植民地体制を一掃】 一方において、大東亜戦争の結果は欧米列強による植民地支配体制をアジアから一掃したことだ。アジアばかりではない。先の大戦には、植民地支配下のアフリカ、ラテン・アメリカの人々は数多く戦線に強制動員させられていた。彼らは、有色人種の日本人が欧米白人を軍事的に撃破・制圧する状況をつぶさに実体験した。コンゴ動乱、アルジェの戦いなどなど、戦後、故国に帰った彼らは一気に民族独立へと雪崩をうった。大東亜戦争の世界史的意義は、地球上から植民地体制を一掃したことにある。いくら強調しても強調しきれない、世界史に銘記される偉業が結果として成就された。 「日本というお母さんは難産して母体を損なったが産まれた子供たちはすくすくと育っている」、タイのククリット・プラモート元首相の言葉だが、大東亜戦争の世界史的意義を平易に語った名言である。それにしても、日本民族が支払った議性は余りにも苛酷であった。 【真の追悼とは何か】 とまれ、あくまで敗戦という結果を知ったうえでだが、戦争を回避したとしても、斯くまで無残な結果は招かなかったであろう。この敗戦責任の有り様を、日本が民族として総括しない、出来ないまま、いわゆる「終戦80年」を迎えている。 その象徴が、敗戦を「終戦」と言い換える偽善である。民族の思考停止、つまり誤魔化しが80年の長きに亘れば、今日の日本が内政・外交においてかくも無様なまでの状況に陥っているかを納得するところである。敗戦を「終戦」に、見事なまでの“精神的勝利方法”、魯迅が『阿Q正伝』で愚か者として描く阿Qそのものといって良い。 敗戦80周忌にあたる8月15日は戦没者に追悼の意を捧げる日であるが、真の追悼とは何か。それは先の大戦の総括(無条件降伏)を考える日である。同じく、敗戦80年も経て、今なお戦勝国の米軍が日本列島を実質的に軍事占領しているこの腑甲斐なさを、祖国の為に散った英霊に深くお詫びする日でもある。 鎮魂の祈りは絶えず幾夏も靖国神社に蝉鳴き止まず                             黙祷   靖国神社に向かって黙祷(平成24年8月15日 12:00) 参考文献:  
 【日本はなぜ開戦に踏み切ったかー「両論併記」と「非決定」】(森山優 新潮選書) ←絶滅を免れた日本人を一人でも増やす為にクリックを! ◀︎『虐日偽善に狂う朝日新聞―偏見と差別の朝日的思考と精神構造』  (酒井信彦 日新報道)  著者・酒井信彦が朝日新聞に踊らされる日本人の精神構造を解く。

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第11回名画鑑賞会『日本のいちばん長い日』

第11回名画鑑賞会 『日本のいちばん長い日』 (監督:岡本喜八 )1969年/ (東宝) 「一死以テ大罪ヲ謝シ奉ル 」 陸軍大臣の阿南惟幾 (あなみ これちか) を演ずる三船敏郎 昭和20年8月15日、日本の運命をかけて時は時は刻一刻をきざむ。斬殺、切腹、背信、反乱・・・。日本民族の行方と世界の歴史を決定づけていく24時間を再現する。 ポツダム宣言、時を置かずしての原爆投下、ソ連の参戦、軍事的抵抗力が壊滅した現状において、なお抗戦を主張する一億総玉砕。戦争は政治の延長、戦争を決定するのも終結させるも、軍人ではなく、政治家がおこなうもの。これはクラウゼヴィッツを持ち出すまでもない外交の法則だ。結局、大東亜戦争を決着させたのは、政治家ではなく天皇陛下の聖断によるしかなかった。日本の政治不在は何も今に始まったことではなかった。 当映画会では戦争と戦後を考えるをテーマに、『雲流るる果て』(監督・家城巳代治)、『叛乱』(監督・佐分利信)、『日本暗殺秘録』(監督・中島貞夫)を上映してきたが、その集大成の一作は今回上映する『日本のいちばん長い日』(監督:岡本喜八 )として位置づける。 監督:岡本喜八  原作:大宅壮一(半藤一利)  脚本:橋本 忍  撮影:村井 博  音楽:佐藤 勝 出演:宮口精二(東郷外務大臣) 戸浦六宏(松本外務次官) 笠智 衆(鈴木総理)    山村 聰(米内海相) 三船敏郎(阿南陸相) 小杉義男(岡田厚生大臣)    志村 喬(下村情報局総裁) 高橋悦史(井田中佐) 井上孝雄(竹下中佐)  日時:3月23日(日)     13:00開場 13:30上映開始 上映時間/158分   場所:神保町区民館      (千代田区神田神保町2-40 03-3263-0741)   地図:http://www.city.chiyoda.lg.jp/shisetsu/kuyakusho/007.html   アクセス:JR都営三田線水道橋駅から徒歩10分、 … 続きを読む

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