タグ別アーカイブ: 東電

なぜ辞めない国会議員

鉢呂は同時に議員も辞職せよ なぜ「死の街」と言われるのか。一番、深刻に理解出来ているのが福島県民であり、福島第一原発放射能汚染地域の住民の筈だろう。 以下は、鉢呂経済産業相の「死の街」発言に関した読売新聞の報道。   http://www.yomiuri.co.jp/feature/20100806-849918/news/20110911-OYT1T00168.htm 経産相「辞任は当然」…被災者から怒りと失望  「原発事故が自分たちの責任だと思ってないから、あんなに軽い事を言えるんだ。被災者なんか眼中にない」。鉢呂氏が辞意表明した10日夜、福島市笹木野の果物農家の男性(63)は憤りをあらわにした。原発事故の風評被害でナシや桃などの出荷価格は半値以下に。「『またか』という感じで、国にはもう何も期待できない」とあきれた。  「風評被害の中で、福島の野菜を買ってくれる国民もいるのに、大臣が今回のような言動を発するのは情けない」。原発20キロ圏の警戒区域にある福島県富岡町から大玉村の仮設住宅に避難している男性(56)はこう語り、「怒りを通り越して、悔しい」。  原発の警戒区域から福島県二本松市に庁舎ごと移転する同県浪江町の馬場有町長は、「これだけ苦しめられている中であの発言は許せない」と厳しい口調で語り、同県南相馬市の桜井勝延市長は「こんなに短期間に代わられるのは被災地にとってマイナスだ」と話した。 (2011年9月11日17時54分  読売新聞) これら農家の男性や避難住民は自らおかれている地域が人の住める場所でないことを自覚しているのであり、農産物が放射性物質で汚染させられた被害者だからこその発言だ。 しかし、彼らを苦しめる境遇に追いやっているのは東電であり、辞任した鉢呂経済産業相ではない。汚染区域が危険だから、仮設住宅に避難しているのではないのか。鉢呂元大臣は苦しめられているその現状を指して「死の街」と言ったまでである。客観的事実を言った。 危険を承知して避難しながら、「死の街」発言で傷つき、「悔しい」のであれば、一体どういう表現であれば満足するのか。「哀しい街」「寂しい街」・・・・、だったら了解するのか。 何をどれほど同情されたいのか、甘えもいい加減にしろと言いたい。 ところで、なぜ“正鵠を射た”元大臣の発言が辞任まで発展して騒動になるのか。 それは鉢呂元大臣が自ら発した言葉である「死の街」について、これを問題視したマスコミと闘わなかったからである。闘わないで逃げたのである。 逃げたとは、「死の街」という事実に基づく自らの道理をあげた理念を提示し、論争しなかったからである。 鉢呂元大臣は「死の街」に“反感”を感じた彼ら原発被害者と、元大臣の言葉狩りに狂奔するマスコミ相手に事実を挙げた道理を説く戦いを放棄した。 戦いを放棄、つまり逃げに転じたのだから追い打ちのバッシングに晒されるのは至極当たり前だ。 マスコミが煽った「被害者の感情逆なで」の前に、欲望民主主義に浸かりきった日本人は抵抗する術などない。マスコミと一緒になって鉢呂の辞任大合唱に加わるしかない。 もう、身内の民主党の中からさえ誰も鉢呂の「死の街」を擁護する正論は出なかった。 大臣は辞めるが、議員特権だけにはしがみつく醜悪 鉢呂元大臣は単純に言葉狩りのイジメにあっただけだ。 なぜ虐められたか、それは逃げるからだ。なぜ逃げるのか、弱いからだ。なぜ弱いのか、守るべき思想、政治上の理念が、政治家としての矜持がなかったから虐められた。思想の左右、理念の是非に関わらず、人間は守るべきものがあれば強い。 しかしながら、鉢呂はしたたかだった。見かけは殊勝に反省と謝罪で辞任をしたが、ドッコイ、議員の身分だけはしっかりと死守した。つまり議員特権という守るべきものがあったればこそ、議員の身分だけは死守したのだ。   ←国会:<利権分配集団>の総本山 国会議員の推定年収:2,896万円 http://nensyu-labo.com/koumu_kokka_kokkaigiin.htm JR全線無料…新幹線、特急、グリーン車も可 航空機無料…月4往復までは無料 議員宿舎…民間相場からみると格安の値段(新赤坂の場合3LDKで9.2万円/月。相場は50万円/月ほど) 政策秘書、公設第一秘書、公設第二秘書の給料国庫負担  ・・・・等など、金額換算した議員特権は約3億円にのぼるとされている。 鉢呂が真に自ら発した「死の街」発言について謝罪するのであれば、大臣の身分と共に、選挙によって選任された議員も辞職しなければ整合性がつかない。あの「反省と謝罪」は国会議員という特権を守るための方便でしかなかったのである。利権分配集団の一員として、鉢呂はその真骨頂を示した。 <利権分配集団>、下は地方議員に始まり上は国会議員に至るまで、税金でもって生計(たつき)を立てる、この日本列島に新しく誕生した階級集団である。とりわけ、手厚く保護された特権を享受する国会議員は、食物連鎖でいえばその頂点に位置するといって良い。日本の歴史上、初めて登場した階級集団だ。 【参考】「二大政党とは利権分配集団の独裁体制」   ↓   http://www.shukenkaifuku.com/past/shuchou/090201.html   ←絶滅を免れた日本人を一人でも増やす為にクリックを! … 続きを読む

カテゴリー: 時評 | タグ: , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , | コメントは受け付けていません。

「死の街」は正しい

鉢呂経産相の見解を支持する 偽善を通り過ぎ、知性の幼児化を進む日本人 大学進学を希望する学生に最も必要なことは、主観を排除した客観的な己の学力を把握することである。己の学力をシビアに評価できなければ、進学校の選定はおろか受験計画すら立てられない。 企業の再建も然りだ。金庫を空ければ借金の証書の山、聞きたくも見たくもない負債を数字として把握する作業は辛い。しかし。この作業をしなければ再建計画が立てられないのである。  ← 福島原発周辺、チェルノブイリ原発事故を上回る危険度“レベル7”高汚染の実態(8月30日文科省発表・放射性セシウムの土壌濃度マップより/クリック拡大) 東日本大震災の復興の足枷がフクシマ第一原発にかかっている。いや日本存立の行方がこの原発事故処理の行方にかかっている。 この行方はひとり我が日本ばかりではなく、世界が固唾をのんで見守っている。 その矢先に新任の鉢呂吉雄経済産業相が、「(原発)周辺の市町の市街地は、人っ子一人いない。まさに死のまちという形だった」と述べたことで辞任に追い込まれた。 ↓ 鉢呂経産相の「死のまち」発言 http://www.yomiuri.co.jp/feature/20100806-849918/news/20110910-OYT1T00543.htm http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110910-OYT1T00622.htm?from=main1 ↓ 「死のまち」発言で、「福島県民の皆さんに大きな不信を抱かせた」ことがその理由としている。 実際、原発周辺は高濃度の放射性物質に汚染され、地域住民の健康を考えれば到底生活できる環境ではない。 震災直後に1から3号機まで、絶対にあってはならないメルトダウンが始まり、水蒸気爆発と共に高濃度の汚染物質が自然界へ放出された。 全て公にされ、皆が知っていることだ。 その量たるや、セシウムで広島型原爆の168倍との試算を経済産業省原子力安全・保安院が公表している。 ↓ 原爆と比較「コメント困難」=「セシウム168倍」試算で-東電 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201108/2011082700222 さらに、日本原子力研究開発機構は8日までに、汚染水の流出に加え、大気中からの降下分などを合わせた海洋への放射能放出総量が1.5京(1京は1兆の1万倍)ベクレルを超えるとの試算をまとめている。天文学的数字に達している。 ↓ 海洋汚染1.5京ベクレル超=東電推定の3倍-原子力機構が試算・福島第1原発 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011090800051  東京電力福島第1原発事故で、日本原子力研究開発機構は8日までに、汚染水の流出に加え、大気中からの降下分などを合わせた海洋への放射能放出総量が1.5京(1京は1兆の1万倍)ベクレルを超えるとの試算をまとめた。東電は4~5月に海に流出した汚染水の放射能量を約4720兆ベクレルと推定しているが、試算はこの3倍以上に達する。  原子力機構の小林卓也研究副主幹(海岸工学)らは、漏えいした汚染水の影響に加え、東電が公表したモニタリング数値などを用いて、大気中に出されたヨウ素131とセシウム137が海に降り注いだ状況をシミュレーション。同原発放水口付近の海水から放射性物質が初めて検出された3月21日から4月30日までの放出総量を試算した。  その結果、海に放出されたヨウ素131は1.14京ベクレル、セシウム137が0.36京ベクレルで、計1.5京ベクレルとなった。セシウム134はシミュレーションでは考慮していないことから、放出総量はこれを超えるという。 (時事ドットコム:2011/09/08-05:50) そうした事実を受けて日本政府は、危険度を最大値のレベル7に設定したのである。 以上から、フクシマ第一原発事故近辺の地域は住民が避難して「死のまち」と化している。この事実は誰もが知っている。だから、鉢呂経産相は実情に即して、これを分かりやすく「死のまち」と言ったまでであろう。 「死のまち」宣言で、「福島県民の皆さんに大きな不信を抱かせた」とするが、フクシマ第一原発事故近辺の地域が安全といえば、福島県民が「不信」ではなく安心すると言いたいのか。 野田首相が言う「福島の再生なくして、日本の元気な再生はない」というのは、深刻極まるフクシマ第一原発事故の収束なくして、元気な福島を再生出来ないとのことを言っている。 再生しなければならない客観的状況を、否が応でもこれを把握して、この状況に即して対応策並びに再生・復興計画が立案できる。 フクシマ第一原発事故近辺の見たくもない、聞きたくもない、言いたくもない厳しい現状を認識しなければならない。ただ認識するだけではなく、この三「ない」を受け入れなければ、再建(再生)計画など立てようもない。 繰り返すが、大学受験生でありながら分数、整数計算はおろか、漢字の読み書きすら出来ず、学力は小学生並みだが、その自らの力量を屈辱として受け入れることが出来なければ、受験計画など立てようもない。放漫経営の果てに倒産した企業を再建する際も同じ、見たくもない、聞きたくもない、言いたくもないデタラメ経営をしっかりと総括しなければ再建計画など立てようがない。 放射能汚染の被害を受けているのは福島県民ばかりではない。原発事故は日本国民全てに、我々が住むこの日本列島の存在そのものがかかっている。 その現状は残念ながら「死のまち」と化している。その現状を受け入れなければ「死のまち」を再生することは永遠に不可能なのである。 真実を言ったことが、「福島県民の感情を傷つける」など偽善を通り越したまやかし、知の劣化を突き進む日本人の幼児化現象といっていい。 … 続きを読む

カテゴリー: 時評 | タグ: , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , | コメントは受け付けていません。

住友化学へ!米倉出て来い

経団連は「軽談連」に名称変更を! 移民1000万人推進、東電擁護の米倉弘昌へ追及を緩めるな 福島第一事故の収束が全くおぼつかない事態のなか、北海道の高橋はるみ知事は泊村の泊3号機(※左写真)の再開を認めた。 この女性知事は経産相出身、生粋の官僚上がりだ。そして知事の政治資金管理団体「萌春会」に対し、北海道電力役員が毎年、個人献金していることが分かっている。そして、元北海道電力会長の南山英雄が「萌春会」の会長を任されている。 26日には、北海道電力泊原発3号機のプルサーマル計画で、道と地元4町村が2008年10月に開催したシンポジウムをめぐり、北電が社員に参加と推進意見の表明を求める「やらせ」を指示する文書をメールで送っていた癒着が明るみとなっている。 ↓ http://www.asahi.com/special/10005/TKY201108260699.html 国会議員、地方議員から経産省、電力業界を含む完成された巨大な利権共同体。それは正しく原発村であり、高橋はるみ知事は押しも押されぬ原発利権に浸かりきった原発村民である。だからこそ、フクシマが未だ収束どころか建屋から、地下から水蒸気が噴出している最中に泊3号機の再開を強行するのである。 米倉弘昌(経団連会長、住友化学代表取締役会長)が東電福島第一原発の事故で、「東電に責任はない」と言い切り、「原発を止めたら日本が潰れる」と机を叩いて国民を威圧・脅したことを、我々国民と原発被害者は忘れていない。 経団連会長、住友化学代表取締役会長の肩書きは飾りではない。机を叩くパフォーマンス以降、電力会社から経産省、原子力安全・保安院、政治家の癒着が次々と明るみになっている。米倉弘昌は自らの言動に責任を示す義務が生じており、「東電に責任はない」との発言を受け取った我々受け手の国民にはそれを質す義務が生じている。 更に許し難いのは3日に本社へ赴いた我々に、総務部の原田、酒井が示した態度である。「用はない、帰れ帰れ!」と嘲笑した。受付を通して面会を求めた我々ばかりではなく、全ての原発被害者を小馬鹿にした。 26日、主権回復を目指す会は再度だが、これら今までの経緯を質すため住友化学本社へ伺った。 しかしながら、住友化学は一切の話し合いに応じようとはせず、多数のガードマンに警察を配置し、敷地からの排除を強行した。 住友化学へ警告する!事実を挙げて道理を説く国民の声を無視したならば、如何なる結果を招いてもその責任は全て住友化学に帰すると。少数を侮ってはならないと。 (↓ 画像クリック拡大) 原発村の一員を構成する住友村民の案内 執拗な妨害を受けてようやく玄関へ、しかし警備員が阻止 低姿勢で「お引き取り下さい」を繰り返す西岡達也・総務部課長補佐、右は小野寺國夫・総務部調査役、左は沈黙に終始した私服の警備警察 抗議を嘲り笑った原田と酒井は出て来い! 事実を挙げ道理を説く我々は少数とはいえ恐れるものは何もない 住友化学の社員へ、「内部から米倉を批判する骨のある社員はいないのか!」 住友化学よ、企業の社会的責任は何処へ投げ出したのか! 責任も使命も喪失したからには「軽談連」が名称として相応しい 【動画】『経団連会長』移民推進、東電擁護の米倉弘昌へ追及を緩めるな youtube http://www.youtube.com/watch?v=_6viB6G3cn8 ニコニコ動画 http://www.nicovideo.jp/watch/sm15471123   ←絶滅を免れた日本人を一人でも増やす為にクリックを!  

カテゴリー: お知らせ, 時評 | タグ: , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , | コメントは受け付けていません。

【街宣告知】住友化学(26日)

告知 住友化学へ抗議(26日)  <移民1000万人推進、東電擁護の米倉弘昌へ追及を緩めるな> 国民の声を嘲笑う総務部(酒井、原田)は土下座・謝罪しろ! 日時:平成23年8月26日(金) 11:30 場所:住友化学本社 東京都中央区新川2丁目27番1号 東京住友ツインビル(東館) TEL:(03)5543-5500 FAX:(03)5543-5901 http://www.sumitomo-chem.co.jp/company/group/access_tokyo.html(地図) 我々は米倉弘昌(経団連会長、住友化学代表取締役会長)の言動を忘れていない。 東電福島第一原発の事故で、「東電に責任はない」と言い切り、「原発を止めたら日本が潰れる」と机を叩いて国民を威圧・脅したことを。 8月3日、住友化学は抗議文の提出を拒み、挙げ句の果てに総務部の酒井、原田は我々の抗議を嘲り笑った。 多くの子供の体内から、あってはならないセシウム、ヨウ素が検出されている。放射能汚染区域から7万人も立ち退きを強いられている。 米倉は未だ、「東電に責任はない」との前言を撤回せず、謝罪を拒んでいる。福島県民ばかりではなく、多くの国民が原発被害者である。この被害者の真面目な抗議を小馬鹿にしている住友化学を許してはならない。 呼び掛け:主権回復を目指す会 連絡:西村(090-2756-8794)   ←絶滅を免れた日本人を一人でも増やす為にクリックを!  

カテゴリー: お知らせ, 時評 | タグ: , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , | コメントは受け付けていません。

出来損ないの“産経抄”

被爆者の神経を逆なでする「産経抄」 「産経抄」ではなく最低抄だ 産経新聞の8月19日付け「産経抄」が、被爆の危険性を訴える母親に自己責任を説いている。 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110819/dst11081902590000-n1.htm 【産経抄】8月19日  米アリゾナ州にある大渓谷グランド・キャニオンには、転落防止の柵がない。民主党の小沢一郎元代表はかつて著書のなかで、この事実を例にとり、個人に自立を促す「日本改造計画」を唱えたものだ。ただし日本では、事件や事故が起こってから、初めて柵の有無がわかる場合が多いのではないか。  ▼数カ月前に焼き肉チェーン店で、ユッケを食べた客が次々に食中毒を起こし死者も出た事件では、実はユッケの材料が、加熱用の牛肉だった。そもそも、厚生労働省の衛生基準に基づく「生食用」の牛肉が、市場にほとんど出回っていない事実を、どれだけの人が知っていただろう。  ▼浜松市の天竜川で起きた、川下り船の転覆事故では、乗客が救命胴衣を着けていたかどうかが焦点となった。法律では、12歳未満の乗客に着用を義務づけている。運航会社によれば、大人の安全対策として、救命クッションを備えていた。  ▼ところがその後、「暑いので置いておいていい」と、乗船前に船頭が子供に説明していたことも、明らかになった。あったはずの柵が、引き抜かれていたわけだ。運航会社の責任は、厳しく問われるべきだろう。  ▼柵について論議が必要な危険な場所は、われわれの身の回りにもたくさんある。たとえば、小学生が猛スピードの自転車で駆け抜ける歩道もそのひとつだ。歩行者に対して加害者になりうる彼らだが、転倒して大けがを負う可能性だってある。  ▼それなのに、道路交通法で努力義務として規定されている、ヘルメットをかぶった姿をほとんど見かけたことがない。放射能がわが子の健康に及ぼす危険性について、心配するお母さんがあれだけ多いというのに、不思議でしかたがない。 回りくどい文章だが、論旨は焼き肉の食中毒事件、天竜川での転覆事故などを例に挙げ、安全策が蔑(ないがし)ろにされている現実を指摘して、“事故”責任のあり方を説いている。 つまり、「人は事故に遭遇して、初めてその対策を考える」のだと言いたいらしい。 ところがどうしたことか、歩道を自転車で駆け抜ける子供らに触れ、道交法の努力義務に関わる危険性を指摘し、最後のまとめにしている。 産経抄は“落ち”にしようとしたのかも知れないが、落ちどころか、なぜ?という違和感しか残らない。 福島第一事故で福島県内の子供の尿からセシウムや放射性ヨウ素が検出されている。政府と東電の無為無策、情報隠蔽で本来絶対あってはならない住民と成長期の子供達の多くが、無防備なまま長期間に亘って被爆した。母親たちが抱く不安は計り知れない。 ↓ 甲状腺被爆、子どもの45% (朝日新聞8月18日) 東京電力福島第一原子力発電所事故をめぐり、政府の原子力災害対策本部は17日、福島県の子ども約1150人を対象にした甲状腺の内部被曝(ひばく)検査で、45%で被曝が確認されていたことを明らかにした。17日、同県いわき市で開かれた説明会で発表した。すぐに医療措置が必要な値ではないと判断されているが、低い線量の被曝は不明な点も多く、長期的に見守る必要がある ↓以下参照 http://www.asahi.com/special/10005/TKY201108170394.html 上記の報道は朝日新聞ばかりではなく、他のメディアも多数が報道した。よもや、「産経抄」が政府の原子力災害対策本部が公表した被爆データを知らぬわけではあるまい。 絶対安全で、絶対に起こらないのが原発事故だった。その事故による被爆は「自己責任」でも何でもない。「産経抄」は一方的に被爆した子供とその母親たちに、何の責任があると言いたいのか。原発推進に立つサンケイ新聞による、18日の「甲状腺被爆、子どもの45%」(朝日新聞8月18日)に対する当てこすりだったのか。 自転車の歩道通行と子どもの被爆を「自己責任」だと一括りするとは、開いた口がふさがらない。出来そこないの当てこすりは質が悪すぎる。 「産経抄」に忠告する!転落防止の柵を能書きするよりも、己が「最低抄」に転落しないような「策」こそ真剣に考えるべきだろう。 停電を煽る喧噪が鳴りを潜めてしまった感のある八月だが、日本に止めを刺しているのが電力不足ではなく実は円高だ。政治家の無策のまま、日本の先行きが全く見えない。 そうしたなか、季節だけは正確に時間を刻み、秋へと歩みを進めている。ふと気づくと、花屋の店頭にはいつの間にか秋の草花が飾られて、九月の準備に余念がない。 力欠く暑さを衝いて店頭に秋の華やぎ先取るコスモス 下記は『國民新聞』に掲載された野村旗守氏(ジャーナリスト)の一文です。原発という利権が単に巨大なばかりではなく、極めて精緻に完成された共同体であることに光をあてた必読文であります。  原発とは完成された巨大な利権共同体 事故で明らかになった一蓮托生の村社会 野村旗守(ジャーナリスト)『國民新聞』第19166号    ※見出し、小見出し共に主権回復を目指す会事務局による   【老後の世話まで焼く原発村】  北は北海道から南は沖縄まで、日本には地域ごとに10社の電力会社があって、それぞれが担当地域ごとに電力の独占供給をおこなっている。すなわち、利用者である我々日本国民には、電力会社を選ぶ権利がない。これが電力会社にとってまず最大の利権である。発電と送電を地域内一社が独占しているので、技術競合も価格競争も起きない。  この地域独占の旨みを保持するため、電力各社は監督官庁である経済産業省の顔色をうかがう。したがって、天下りを大量に受け入れる。本社のみならず、必要性もよくわからない関連団体や研究機関などをたくさん作って、役人たちの再就職先の世話を焼いていた。わが国には「原子力○○」と名のついた公益法人の類がゴマンとある。まさにエネルギー行政と電力業界は一蓮托生の関係であり、経産省の前身である旧通産省が「これからは原発だ!」と号令をかければ、業界側はNOとは言いにくい雰囲気があったのだ。そして逆もまた真なり。原子力の安全性を担保する立場の経産省は電力各社とべったり癒着して各社原発の事故隠しに奔走する。何しろ、原発施設の安全点検をおこなう使命の原子力安全保安院は経産省のビルに入って、おんぶに抱っこで老後の世話まで焼いてもらっていた。  電力各社はまた、新聞・テレビは言うに及ばず、ラジオ・雑誌・ネットメディアの有力広告主でもある。だからマスコミは原子力の危険性を報じない。この事実は現在広く知られるようになったが、それも福島原発の事故があったからこそである。 【隠蔽・懐柔工作に専念するマスコミと御用学者】  わが国の原発を「夢の新技術」と最初に煽ったのは読売新聞だった。当時の社長・正力松太郎はその後衆議院議員となり、初代原子力委員会委員長、科学技術庁長官を歴任する。以降も、原発業界のメディア工作は連綿と続き、今回の事故が起こるまでは、原発の危険性を告発する類の調査報道が陽の目を見ることはほとんどなかった。同時に業界が進めたのが、原子力やエネルギーの専門家たちに対する懐柔工作だった。有名大学等の原子力研究機関には、ほぼ例外なく、研究費の名目で電力各社から億単位の“原発マネー”が渡っていた。専門家を称する研究者のほとんどは、原発の危険性を知りつつ口をつぐんできたというわけだ。  電力会社は原子力産業に年間約2兆円もの資金を注ぎ込み、国も同様に約4500億円の予算をつけている。約2・5兆円の巨大市場である。原発の建設から廃炉にいたるまでには100年間の時間を要し、そこにさまざまな人間関係や業者、関連企業などのが入り込む。まず用地の選定。当然のことながら地元選出の政治家が動く。そして年の買収と造成。ここではゼネコンが動く。原発を1基つくるのには3000億~5000億円が必要と言われ、そこに使用される部品類は数万点。当然のことながら各種メーカーが総動員される。ウラン遠慮の調達には商社が介在し、その他、輸送業者、警備会社、研究団体など、500以上の企業や機関が原発に関わる。 … 続きを読む

カテゴリー: つれづれ, 時評 | タグ: , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , | コメントは受け付けていません。